2003-02-04 [長年日記]

オペレーターズサイド

先週買ったPS2の「オペレーターズサイド」は昨日終ってしまった。やりこみ要素もなくてちょっと短すぎるような気もするけど、かなり面白かった。ファミ通風に言うと9点。しかし、システム的には斬新ではないよな?な?って誰に同意を求めてるんだ(これ以降はねたばれちういと一応言っておこう。このゲームは知っているかどうかで面白さが全然違う)。誰も言い出さないから俺が言っちゃうけど(もう誰かが言ってたらごめん)、これって昔あったテキスト入力型のアドベンチャーゲームの入力を音声に置き換えたものだよね。「look door」とか入力して進めていくやつ。とこんなことを書いても今の人は知らないかもしれない。いや、俺自身やったことはないけど。

ここで間違えないで欲しいのは、以前からあるシステムの焼き直しであるというのが悪いと主張しているわけではないということ。それに、焼き直しの直した部分、つまりは音声入力になったというのはこのゲームのできを決める上で非常に大きなウェイトを占めている(こんな当たり前のことを言うとアホみたいだけど)。この音声入力になったということにより、どんな恩恵があるかというのをちょっと真面目に考えると、まず時間的な流れに左右されるようなイベントが可能になったこと。時間的な流れに左右されるというのはタイミングによって反応が変わると言い換えてもいい。もちろんテキスト入力型でもできないことはないけど、ゲームの難易度が入力の巧拙で変わってくるのはゲームの目的からするとちょいと違うかなと思う。その点音声入力であればあまり差はでない(ハズ)。今回戦闘が(それなりに)スムーズにできるのもこれのおかげだし、時限式イベントつまりある時間内にキーワードを入れなければならないという状況が自然に表現できている。

次に、といってもさっきの繰り返しになるけど入力することに対する敷居を圧倒的に低くしたということ。キーボードからの入力というのはみんながみんなできるわけじゃない。もちろん、いちいち探せば入力できないことはないだろうけどそんなのはストレスが溜まってゲームどころじゃないだろう(小動物は極度のストレスにより死ぬことさえあるのだ)。これが音声入力式であれば、まあ大概の人は大丈夫だろう(これ以上は微妙なので言わない)。

もうひとつは、感情移入がしやすいということ。声に出すという行為はテキストを打ち込むより(もちろん選択肢を選ぶより)、圧倒的な臨場感が生まれる。声を出して意思疎通できるということがなんて素晴らしいことなんだろうって誇張じゃなくそう思った。なんだか、引きこもっていてそれまで誰とも話さなくなっていた人の台詞みたいだけど。ゲームの進行自体には関係ないのに自分の役柄に合わせて声を作ってみたり、相手が思い通りに動いてくれないと声を荒げてみたり。これは作り手の狙いの巧さもあるのだろうけど、ラスト直前の場面で恋人の名前を呼ぶところなんて後で思い出すと恥ずかしいぐらいに感情こもってたもんね。

なんだか誉めっぱなしだけど、ここはどうかなあという点もいくつかある。まずは音声の認識率の低さと言いたいところなのだけど(実際どこかのBBSにもそういう発言があった)、俺自身はほとんどと言っていいほど誤認識することはなかった。誤認識といっても目的の言葉を発しているのにも関らず濶舌が悪い、もしくは一致判定の許容範囲が狭いことにより認識できない場合と、辞書にない言葉を言っている為にそれに近い言葉として認識してしまう場合があると思うのだけど、「通じる言葉」を探すこと自体がこのゲームの醍醐味だし、言葉を選ぶのにそんなに悩んだところはなかった。それよりも、ゲームの流れに広がりがないのが残念なところである。ストーリーは一本道だし、進展があるポイントにはマーカーがでていて総当りで行けばなんとかなる。後戻りするポイントもない。まあライトユーザーを対象としているSCEIとしてはそれでいいんだろうけど。

結論としては、おまいら、借りても買ってもいいけど一度やれとそんな感じです。こんなん書いてるよりリオと山手線ゲームやらなきゃ。じゃっ。