2000-07-26 [長年日記]

このサイトを見ていて、昔一度だけ金縛りにあったことを思い出した。

その頃、とある学校の寮に住んでいたのだが、当然のごとく一人部屋ではなかった。とはいっても班長をやっていた事もあって気の知れた同じクラスの人と寝食を共に、したわけではないがともかく同じ部屋に住んでいた。

勉強時間も終わり、私はベッドで眠りについていたのだが、ふと目が覚めた。だが、何かがおかしい。体が動かないのだ。ただ、視界だけははっきりしていて、薄暗い中に天井に張ってあるポスターと同室のつけているスタンドの明かりだけは目に映っていた。これが金縛りかぁ。と思いつつも動けないことは結構な恐怖で、幸いまだ起きている同室に助けを求めようとした。…声が出ない。いや、自分では少しは出てるような気がするのだが、聞こえていないからには出ていないに違いない。

どうすりゃいいんだぁー。と思いつつもそのうち寝たのか治るかしたのだろう。あまり記憶にない。

次の日同室に金縛りにあったことを話すと、彼曰く「変な声で、『とくー、とくー』っていうからなんかと思ったって」そう彼には聞こえていたのだ。魂の叫びが聞こえていながら無視したのだ。「困ってる時はお互い様だろー。このばかちーん。」と言ってやりたい気分だった。思えばあまりにひどい話である。