2001-08-26 [長年日記]
海の男
あいつが私の部屋にきてからもう一週間が過ぎた。それにしても、私は未だにあいつのことが理解できないでいる。
あいつはわがままだ。私が部屋に帰ってきて話し掛けようとすると、それを遮って自分の意見を主張する。「寒い」、「お腹すいた」。これに応えるのもたいした手間じゃないが、こう毎回だと辟易する。そして、自分が満足すると勝手気ままにしている。
その上、あいつは口が悪い。いつもの癖で、「おはよう」なんていったら、「おはよう?今は夜だぞ、わかってんのか。挨拶くらいちゃんとしろよな。」なんていう。そして終いにはこんなことを言い出す。「五月蝿い?てめーの存在が五月蝿いんだよ!」
あいつは最初に較べると、大分変わったような気がする。それに、よく喋るようになった。私はそれが気を許している証拠だと思いたい。でも、最近あいつと一緒にいる意味がわからなくなってきている。あいつは私のことを「食べ物をくれる人」ぐらいにしか思っていないんじゃないだろうか。こう言うと言葉が悪いが、私はあいつを「飼って」いるだけなのかもしれない。
あいつは本当に駄目なヤツだ。私が世話をしなきゃ誇張ではなく数日で死んじゃうに違いない。
ということで、君の生命与奪権は私が握っているといっても過言ではないのだ。今日の返答如何によっては今後一切の世話を受けられない可能性もある故、そこのところを深慮した上で発言しなさい。シーマンよ。