2001-07-02 [長年日記]
ぼくらの七日間戦争
原作は宗田理の同名小説。この「ぼくら」シリーズはかなりのベストセラーだが、「好きだけど人にはあまりいいたくない作家」ランキングでも赤川次郎と並びかなりの上位を獲得するんじゃないかと思う(貶してる訳ではないですよ。決して)。個人的には、登場人物の微妙な距離感が好きだったりする。
こういう原作が有名なものは得てして失敗作が多い。原作を忠実に再現しようとして、映像としての面白さを失っていたり、逆に原作を意識するあまり全く別の方向に進んでしまったりすることがよくある。
その点、この作品は基本的には原作に沿っているのだが「映画だからできること」をよく分かっていて、そこらへんの演出がうまいと思う。これはパンフレットの宗田理の言と同じになってしまうのだが、初めて廃工場跡に入る時の光の差し具合だとかは素直に「うまいなぁ」と思う。これは文章でいくら書いても伝えることはできないだろう。
2001-07-10 [長年日記]
がんばっていきまっしょい
瀬戸内海に位置するとある高校の女子ボート部の物語。田中麗奈初主演作品。
夏の海:よいです。内海(うちうみ)なので比較的穏やかなのも効を奏しているのでは。そもそも外海だと波が荒くてボートの練習はできないような気がするし。
高校生:よいです。「高校生」を体験したことのないので、思い出ではなく未だに憧れなのですが。
方言でしゃべる女の子:かなりよいです。ナチュラルに喋られると理屈抜きでいいなぁと思うのですよ。
蛇足
感想といいつつ、毎回感想らしきものはほとんどないわけだが。感想を書くにあたって、他の評論やら感想やらのページを眺め参考にしたりする。あまりたくさん見るとそれに引きずられやすくなるため、あくまでもほどほどに留めるわけだが、それを見た後で影響を受けずに書くことができるかというとそれは嘘になる。だからあまり感想のない文になってしまうのだ。
それはともかくとして、今回散見されたのが「涙無しには観られない」という文句だ。感動するのはわかるし別に異論をはさむわけではないが、個人的はそこまでではなかったなぁというのが正直な感想である。そもそも、涙腺の緩さには個人差があるので、これを書いた人は緩々の人かもしれないと邪推するのだが、私自身人のことを言えるほどではないということに気づくわけで、これは何か別の理由に拠るのだろうと考える。
当然、その話に感情移入できるかどうかというのはとても大きなファクターだろう。豪華客船に乗ったことのない私が「沈みゆく船でなんか知らんけど朗々と歌ってる人」に何の感情も覚えないのは無理からぬことである(いや、あほかこいつとは思うかも)。その点、運動部からは縁遠い存在であったということで説明が付きそうだが、「みんなで何かをやり遂げる」という非常にわかりやすいテーマに反応できないほど落ちぶれてはいないと思っている。
もう一つのファクターとしては、その時の心理状況である。なんだか仰々しいが、つまりは心が満たされている時には感動しにくいということだ。言い換えると、幸せそうな顔して何がわかるってんだよってことだ。違うか。
そう考えると、今の私はある程度満たされているわけであり、大体において満足なのである。何に満足しているかは知らないが、知らない方が幸せということもあるし、幸せということは満足なのだ。そうだったのか。
いやね、ただ閾値が上がっただけのような気もするし、つぼの位置がずれてただけのような気もするんだけどね。
情報処理技術者試験
前回は色々と書いたが、何の間違いか合格してしまったようだ。
情報処理技術者試験に、予想通り合格した。まぁあんなもの知ってりゃ解ける問題ばっかりなので合格して当然なのだが。何?言い過ぎじゃないかって?そんなことはない。昔からよく言うではないか、「勝てば官軍、負ければ賊軍。犬が西向きゃ尾は東。見よ東方は赤く燃えている!!」と。
それはさておき。ここに、勤務先で分類した合格率の一覧表がある。一見するとソフトウェア企業の合格率が低いように見える。母数が他と較べ大きく違うので一概には言えないが、試験に対する意識の低さだけは窺い知れる。
その理由として一番大きいのは、会社に強制的に受けさせられているということだろう。
まぁそんなことはどうでもいいのだ。問題は「小中学生」の欄である。基本情報処理技術者の項を見ると、8人中3人合格している。率にして37.5%。実にソフトウェア企業の倍近くの率で合格しているのだ。
いくら会社に強制されているとはいえ、小中学生にも負けちゃってるのだ。大丈夫か?君たち。
情報処理試験を受けた小中学生にも一言言いたい。そんなのとっても何の役にも立たないぞ。