2001-07-02 [長年日記]

ぼくらの七日間戦争

原作は宗田理の同名小説。この「ぼくら」シリーズはかなりのベストセラーだが、「好きだけど人にはあまりいいたくない作家」ランキングでも赤川次郎と並びかなりの上位を獲得するんじゃないかと思う(貶してる訳ではないですよ。決して)。個人的には、登場人物の微妙な距離感が好きだったりする。

こういう原作が有名なものは得てして失敗作が多い。原作を忠実に再現しようとして、映像としての面白さを失っていたり、逆に原作を意識するあまり全く別の方向に進んでしまったりすることがよくある。

その点、この作品は基本的には原作に沿っているのだが「映画だからできること」をよく分かっていて、そこらへんの演出がうまいと思う。これはパンフレットの宗田理の言と同じになってしまうのだが、初めて廃工場跡に入る時の光の差し具合だとかは素直に「うまいなぁ」と思う。これは文章でいくら書いても伝えることはできないだろう。

蛇足

映画での宮沢りえのかわいさは特筆ものです。そのためだけに観る価値はあるでしょう。「あー、こんな先生いたなー。」というシンパシーを持てれば楽しめます。その点、子供たちより先生方の演技力がものを言うわけですが、文句無しです。

そういえば、私の中学校では「男子はボウズ」という理不尽かつ前時代的な拘束もとい校則がありましたが、あれはまだ生きているんでしょうか。長髪可のところからの転校生が「特別に」許可されていた事例もありましたが、よく物議を醸し出さなかったものです。