2009-07-27 [長年日記]

伝説はこうしてつくられる

プリンセス・テンコーこと引田天功といえば大がかりな脱出マジックを得意とするマジシャンとして知られているが、その素性は謎に包まれている。人に伝え聞いたところに曰く、「初代に*1その才能を見出され、請われてマジシャンの世界に入った」とか何とか。

実のところ、「詳細不明」というのは設定上だけの話で、本人にもそのあたりを隠そうという意志はあまりないらしく、講談社文庫版の「幻惑の死と使途―ILLUSION ACTS LIKE MAGIC」の解説に寄せてデビュー当時の話を詳らかにしている。この記述がどの程度本当なのかは分からないけど、詳細不明というプロフィールを設定している割りにはあんまりにも普通すぎるので、是非一読してほしい。

んで、冒頭の下りがまことしやかに語られている(僕はこの話を会社の同僚からくそ真面目な顔で語られた)というのはどういうことなのだろうか。Wikipediaの記述によると、二代目襲名自体は初代の死後、後援会の要請によりということなので、この話が伝わるうちに本人の神秘性(というよりわけわからなさ)から、よりドラマチックに練り上げられたんじゃないだろうか。と思うのだけど、まああんまりおちはない。

Tags: 雑記

*1 引田天功は二代目