2005-08-30 [長年日記]

読書記録

「江戸川乱歩傑作選」読了。新装丁版だと思う。

処女作である「二銭銅貨」をはじめ、著者の初期の作品を多く収録した一冊。これより後にその作風を怪盗二十面相で代表される通俗小説へと転換していくわけだけど、この頃の作風はそれと異とするもので、ひとつは筆名の由来であるポーを意識したものであろう作品*1と、歪んだ性癖、或いは狂気の発露といえる作品*2とに大別できるだろう。 一般的には、日本におけるミステリの開祖、つまり前者としてのイメージが強いが、彼の本質はむしろ後者にあるように思う。

と、中途半端なところで終わるけれど、ブサで非モテだとかいってる人は「人間椅子」を読むべきだと思う。と言っておこう。

*1 二銭銅貨、心理実験など

*2 人間椅子、鏡地獄など