2001-06-19 [長年日記]
都市伝説
とある友人との話。
彼曰く、「東京ディズニーランドに恋人同士で行くと別れる。」よくあるタイプの都市伝説である。地元でも、動物園で同様のパターンの話があった。そう彼に言うと、「いやこれにはれっきとした理由がある。ディズニーランドはアトラクションのために長い時間並ぶ必要があるだろ。だから、付き合い始めの頃だと会話が続かなくてギクシャクするだろ。」なるほど確かに合理的な説明である。しかし、それ自体都市伝説であることの証左とは考えられないだろうか。
もし理由がなければ説得力に欠け、こうも広まることはないだろう(とあるところでは、「そんなことは絶対無いはずだけど、もしかしたら」というものが一番広まりやすいのではないかという考察もあったが)。
「プルタブを集めて車椅子」という有名な都市伝説がある。実際に車椅子をもらった事実はあるが、その発生自体はまさに都市伝説それである。この伝説は今でも形を変えて生きているらしく、ある番組でペットボトルのキャップを集めている少女が出てきて奥の深さを思い知らされた(アルミでできているプルタブに比べ、ペットボトルのキャップではもともとの理由である「車椅子の材料になる」というポイントをはずしているが、これこそ都市伝説の都市伝説たる所以だろう)。
話はそれたが、冒頭の話での「何処其処に行くと」というのはそりゃあ当然付き合ってればいろいろなところに行くだろうし、「別れる」という現象自体も別段珍しいことではないだろう。ただ、それを説明する為に自分自身を持ち出したくはないのが普通だ(尤も、逆に自分を理由にするという自虐的な行為を好む人がいることも否定できないが)。そこで井の頭公園での弁天様のようなもっともらしい理由が後付けで付加される訳だ。
話は変わるが、昔件の動物園の近くを通った時のこと。そのときドリカム状態の私たち(そのときの+1は私ではなかった)は、時間が余っていて何処に行くか決めかねていた。その時丁度、「動物園の隣のロケット」(地元の人にしかわかりませんな)が見え、当然のように恋人同士で動物園に行くと云々という話になった。私自身は上の文章からもわかる通り、この手の「離別伝説」については全く信じていないので動物園行きを主張したのだが却下されてしまった(友人の車だったので発言力も弱かった)。
このとき、動物園行きを主張したのには動物園なら結構時間をつぶせるだろうという打算もあったのだが、「そんなのは俺たちには関係ないだろ」という思いがあったからなのだが、言わなきゃわからんか。