2003-07-10 [長年日記]
乙一「平面いぬ」、殊能将之「はさみ男」他色々読了。「平面いぬ」は表題作を含む四篇の短編集で、その中の一編の「石の目」を表題とした単行本からの改題ということらしいけど、「石の目」以外は全然覚えていない。何だか得した気分。いや本当に読んでないのかも知らんけど。乙一の作品を「せつなさ」という言葉でカテゴライズしてしまう向きもあるけれど、それは微妙に違うと思う。確かに「切ない」作品も多いけれど、その範疇に収まりきるものではない。どこかで誰かが言っていたけど、乙一の作品はどのようなカテゴライズも受け付けず、カテゴライズする必要すらなく、ただ単に、乙一というジャンルとして存在すればいいのではないだろうか。