2018-09-28 [長年日記]

Marvel's Spider-Man

ということでスパイダーマン。映画ではこの間のインフィニティ・ウォーでサラサラになっちゃったけど、このゲームでは新聞社をやめ研究職に、という最近の原作に近い流れでありつつも研究所(といっても所員は所長とパーカーの二人だけ)の所長が(ネタバレ)だったり、市長が(ネタバレ)だったりと、オリジナルのストーリーラインをしっかり作り込んでいて、アイテム収集や写真撮影で垣間見える過去のエピソードと合わせてプレイを妨げない形で織り込んでいるのがよい。

このゲームを語る上で特筆すべきはやはりスパイダーマンならではの移動で、オープンワールドでいちばん重要なのは移動というのを昔から提唱してきた身としてはようやくわかってくれたかという感じ。と言いつつPS3のアメイジング・スパイダーマンやPROTOTYPEなど、構成要素としては近いゲームはあるんだけど、✕でジャンプして、R2でパルクールやスイングなど簡単操作で映画のような移動をすぐ再現することができ、その上で慣れてくるとかなりのスピードを出せるという懐の深さや、かなり再現度が高く、精細なグラフィックで表現されたマンハッタン島、移動中に流れるJJJのラジオや、ランダムイベントの発生など、移動のモチベーションを上げ、飽きさせない作りは最近のゲーム体験でも他にない感じがする。

戦闘は一対多を基本として、そのままではタコ殴りになるところを、ガジェットと空中戦、その場のオブジェクトを活かして切り抜ける感じや、お手軽ステルスやもらえるポイントが増えるお題が出ることでバリエーションを持たせていて、仕上がってるなーという感じ。一部のボス戦がやり方が分かると単調でQTEチックになるのはまあご愛嬌というところ。

スパイダーマン以外の操作やパズル、QTEは賛否が分かれるところだけど、ぬるめの難易度でそれほどボリュームもないので、個人的には許容の範囲内。ちなみにQTEとパズルはゲーム設定からカットすることができる。

(以下ネタバレ)

所長がドクオックで義手を研究しているという時点で嫌な予感がありつつも、メインラインとしては仮面の集団の台頭からリーの逮捕で一区切りついたかなと思ったところからライカーズの反乱、ラフト崩壊、シニスター・シックスの結成と、盛り上がらずにはいられない展開で「映画的な」という表現はこういうのに使うべきだよなーと思いつつ、本来食い合わせの悪いはずのしっかりとしたストーリーラインとオープンワールドという組み合わせでよくもここまで仕上げてきたと思うし、ある意味とても贅沢なオープンワールドの使い方だと思う。

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