2005-10-20
読書記録
山田悠介「親指さがし」読了。
ホラーの本質は、日常に潜む非日常である。もしゾンビが普通に徘徊する世界があったとして、クマぐらいかもうちょっと上の扱いは受けるにしろ、存在するそのこと自体は受け入れられるだろう。そしてその世界では、ゾンビを取り扱う物語はホラーではない。
そういう意味で、この本はホラーではない*1。つーかさ、「女の子に予知能力がある」「怨念で人を殺す」つーのを何故この世界の住民はみんな普通に受け入れるかなぁ。女の子が予知能力があるがゆえに迫害されるという描写もあるにはあるけれど、ぺらっぺらだし。 多分作者の山田君は、ホラー映画(小説でないところがポイント)をみてなんとなく思いついたんだろうな。
ということで、この作者の本は今後一切買いません。
*1 メタな視点で考えると、この本の存在自体がホラーかもしれない