2003-04-22 [長年日記]

コンセント

田口ランディ「コンセント」読了。最近さっぱり本を読んでいなかった。といっても別に深い意味があるわけではなくて、帰るのが遅くなって普段立ち寄る本屋が空いていないだとか、バッグに忍ばせているゲームが全然終らないだとか(やってもいないのに終るわけがない)、電車での移動中眠くてもうどうしようもないとか、いろいろ重なってしまってなんとなく読んでいなかっただけだ。そんな感じでしばらく本屋にも行っていなかったのだけど、集めているコミックの最新刊がコンビニにあるのをみてこれはいかんと思い直し、先週の日曜日にご飯のついでに本屋に行ったのである。

とある本に、「本屋に行くといつも絶望に近い感覚を覚える。世の中には読みきれないほどの本が斯くも存在する。」というのがあってその意見には概ね同意するのだが、ちょっとだけ読書から遠ざかっていたこともあり、沢山の本が並んでいるにもかかわらず全然読みたい本が見つからないのだ。こういうときの選択肢はいくつか合って、買わないとか、他の本屋に行くだとか、そういうのがあるけども、その中で一番危険なのは、他人に薦められた、もしくは他人が面白いといっていた本を買うという行為である。

ここでいう他人とは、自分以外の誰かである。もしその人の趣味嗜好を知っていて、なおかつ自分の中にそれと一致したものがあると思うのなら、試してみる価値はある。但し、それでも「買ってよかった」と思える確率は半々か、それ以下だろう。もしそれがハズレであっても自分で買ったのなら諦めもつくが、それが薦められて買ったものだとなんとなく納得がいかない。もちろんそれを薦めた人は何も悪くないのだけど。さらに、それが借りた本だと始末が悪い。感想の一つでも言わなければならないのだろうけど、折角貸してくれたのにばっさと一刀両断するのは躊躇われるし、そもそも途中でハズレだと判断してしまうと感想を言えるぐらいに考えて読まない。

で、結局のところ何が言いたいかというと、この本は私には合わなかったなあということである。別に薦められたわけではないのだけど、「ランディ読んだことないの?そっかあ、よんだことないのかあ」みたいなことを言われて、いつもの私なら「うへぇ、だってランディだよ?」と身も蓋もないことを言うはずなのだけど(蛇足になるかもしれないが、名前と"盗作"というキーワードで検索すれば大体の事は分かると思う。そういうココロガケの人の文章なんて読む価値はない)、まあそこはそれ、相手はそのことを知らないのだろうし、やはり文章を読まないことには口をはさむ事はできないしね(口をはさむ気もないのだけど)。

というわけで、本来この位置には細かい感想やらツッコミやらが入る予定だったのだけど、面倒になったのでやめておく。気になる人は各自確認するよーに。最後に一つだけいいたいのは、本を人に薦めるということは自分の趣味嗜好思想を曝け出すことであるということである。まあ女の子に「殺戮に至る病」を貸した人の言うことではないけれど。

ついでに三谷幸喜「オンリー・ミー 私だけを」、清水義範「単位物語」読了。