2001-04-25 [長年日記]

PS2 BASIC

Artdinkから「PS2 BASIC」なるものが発売されている。

情報を手に入れて一番最初の感想はさすが老舗Artdinkといったところか。渋いところをついてくる。

表面的なところをざっと纏めると、開発環境としては、3DエディタとかファイラーとかいろいろまとめてあるIDE(Integrated Development Environment:統合開発環境)となっている。

これはPS2でやる以上当然の構成だろう。開発言語自体はEZ-BASICとなっていて「PS2専用に拡張」としている。もともとBASICにこれといった決まりはない(不文律みたいなものはあると思う。文字変数がA$とか。)ので何から拡張したのかようわからん(例えばC言語だと「ANSIに準拠」と書くだけで大体のことは決まってしまう)状態だが、人様のプログラムを見る限りにおいてはN88-BASICとか使ってきた人には違和感がないレベルだろう。

言語仕様でちょっと気になるのが「数値型変数:単精度浮動小数点2進数方式」というものである。これはBASIC全般にいえるのだが、数値に型がない(実質1種類しか使えない)というのはC言語を知ってしまった今では、非常に不便に感じる。

また、当然2進数でしか処理できないので小数点以下の計算ではまる人は多いんだろうなー。と思う。まぁ、そこらへんのテクニックはもう確立されているので調べりゃ問題ない話なのだが。

話を戻して、(あくまでも趣味としての)コンシューマゲームの開発環境としての環境としてはどうかと言われると、もう一声というところである。比較対象としては、ファミリーベーシック(ファミコン)、ネットやろうぜ(?)(PS)、WonderWitch(以下WS)(WS)と色々あり、その中でも「PS2 BASIC」は統合環境としては、抜群に優れていると思う(ファミリーベーシックもネットやろうぜも触ったことがないのでいいかげんなことを言っているかも知れないが)。

ただ、前述のこと以外にも色々とあるBASIC全般の問題を考えると、どうかなと思ってしまう。もし、開発言語として「EZ-C」とか「EZ-C++」とかあれば(選べられれば)文句は無い。

次に、プログラムを公開する環境はどうかと考えると、これもちょっと考えてしまう。メモリーカードを配ればいいのだろうが、物理的な問題がある限りかなり難しい。

現在Web上で公開するにはパソコンを経由するのが現実的だが、標準でPCにデータを上げる手段がない。当然、PCからデータを落とす手段もないわけで、PS2から手打ちでPCへ→公開→PCから手打ちでPS2へというとんでもない状態が発生しているようだ。個人的には、製作者側はある程度制約が厳しくても(ハードの追加など)、ユーザ側はなるべく複雑な手順を踏まずに利用できる形がベストだと思っている。

当然、製作者にはコストが発生するが、それを負担できないようであればその分をユーザ側に負担してもらえばいいわけだ。

WSでも同様の問題は発生している(カートリッジの単体販売はあったが、PC接続ケーブルは単体販売していないなど)が、「VARライセンス」で多少なりとも解消できるのではないかと踏んでいる。

話はそれたが、最後にプログラムを動作させるプラットホームとしてはどうかというのをちょっとだけ。結論を先に言うと、PS2は巨大すぎるのだ。頂上の見えない山登りをしているようなもんで、上りきるのは結構きつい。当然、それでも登ってしまう人は登ってしまうし、頂上がどこにあるかわかっている人にはわかっているのだが。

ま、色々と書いたが、一人でも多く「PS2 BASIC」でプログラムを書くことの楽しさを味わって欲しいもんである。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]
Johne455 (2014-06-01 14:19)

Thanks for the post.Really looking forward to read more. Will read on feecdbeedkfd